日本熱処理技術協会( http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsht )は5月17日、東京・大岡山の東京工業大学で「第71回日本熱処理技術協会講演大会」を開催した。
同大会は毎年春と秋の2回開催され、講演は会員から公募した研究発表と特別講演からなる。特別講演としては、春は河上・赤見記念講演、秋は田村・川嵜記念講演があり、今回は河上・赤見記念講演として大会実行委員長の松尾孝氏(東京工業大学)が「単結晶の低応力でのクリープが導いた新たな概念」と題して講演を行った。また、特別講演(基調講演)では、豊田工業大学の奥宮正洋氏が「熱処理による特性向上を支える分析評価技術」と題し、炉内アンモニア濃度測定や炉内カーボンポテンシャル測定、炉内水素濃度測定の分析・評価技術についてデータを示しながら解説を行った。
このほかの主な講演は以下のとおり。
「プラズマ高濃度浸炭焼入れ/DLC膜によるピッチング強度及び曲げ疲労強度の向上」横尾晃央氏(パーカー熱処理工業)
「高周波移動焼入れシミュレーションによる変形・応力発生メカニズムの検討」井上宏樹氏(高周波熱錬)
「低温でガス窒化ないしはガス軟窒化処理したオーステナイトステンレス鋼の窒化層の特性」冨士川尚男氏(エア・ウォーター)
「強度-靭性バランスの優れたマルテンサイト鋼」花村年裕氏(物質・材料研究機構)
「SRIQとDLCの複合表面改質による摺動特性の向上」高岡徳義氏(高周波熱錬)
「低温窒化した金型の耐かじり性に及ぼす表面テクスチャーの影響」荒牧政俊氏(九州大学)
「自動車部品の信頼性あるモノづくりにおける最新評価技術の活用」寺門一佳氏(日立オートモティブシステムズ)
「ナノインデンターを用いた材料強度の評価」内田聡氏(東京都立産業技術研究センター)
「浸炭炉および窒化炉おける雰囲気制御技術」河田一喜氏(オリエンタルエンヂニアリング)