トライボコーティング技術研究会( http://www.tribocoati.st )は6月 6日、埼玉・和光の理化学研究所で、「平成23年度第1回研究会・総会」を開催した。
当日は大森整会長(理化学研究所主任研究員)の開会挨拶に続いて、以下のとおり講演が行われた。
「ナノ粒子含有薄膜形成用コロイドプリカーサプラズマCVD法の開発」伴雅人氏(日本工業大学)・・・ナノ粒子分散構造薄膜を形成するため、コロイド溶液を利用したプラズマCVD手法の原理や装置を解説。同法を用いて成膜した酸化チタン含有DLC薄膜、フラーレン含有Si-DLC薄膜の実験結果を示し、同法で溶媒およびナノ粒子の種類を変えることにより様々な特性の薄膜が形成できる可能性があるとした。
「アトム窒化―窒素原子を用いた光輝窒化処理法の開発―」原民夫氏(豊田工業大学)・・・電子ビーム励起プラズマを用いてアトム窒化処理を行ったサンプル評価や工具への実施例を解説。アトム窒化の特徴として、光輝窒化が可能なことや窒化処理速度が速いこと、被処理品の配置が自由なこと、放電加工した表面も窒化処理が可能なこと等を挙げた。
引き続き平成23年度総会を開催、平成22年度活動報告・会計報告が行われ、平成23年度活動計画が発表された。また、今年度より会則の変更が行われ、一般会員(企業、教育機関、研究機関等の団体)のほか、個人会員の入会許可を提案、満場一致で承認が得られた。
次回研究会は9月15日~16日、新潟で開催される予定。