日本ゼオンが徳山工場(山口県周南市)に建設を進めていたカーボンナノチューブ(CNT)製造工場がこのほど完成した。子の製造法は、産業技術総合研究所が開発したスーパーグロース(SG)法を用いており、同法では世界初の量産工場になるという。
SG法により製造される単層カーボンナノチューブは、他のカーボンナノチューブと比較して、高いアスペクト比、高純度、高比表面積といった特長を有するため、従来にない機能や特長を持つ新機能性材料、次世代デバイス等への応用が期待されている。NEDOプロジェクトを通じ、高性能キャパシタ、高機能ゴム材料、高熱伝導材料等の材料、デバイスの可能性が示唆され、同社では今後需要も大きく拡大すると予想している。今後、試運転の後に、2015年度下期中の量産を目指す。
なお、製造プラント竣工に先立ち、6月にカーボンナノチューブならびに、カーボンナノチューブに関連する製品の加工および販売を目的とした新会社「ゼオンナノテクノロジー株式会社」を設立し、営業を開始した。
SG法によるCNTの合成法