メインコンテンツに移動
第9回ものづくりワールド名古屋

 

NEDO、DLC成膜装置など若手研究グラントを採択

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO、 http://www.nedo.go.jp )は、若手研究者の研究開発を支援する先導的産業技術創出事業(若手研究グラント)を公募、“新規代謝デザインにもとづく次世代バイオ燃料生産酵母の開発”など48件の研究テーマを採択した。

 この事業は、グリーンイノベーションを強力に推進するため、若手研究者の優れたシーズ技術への研究開発助成を通じて、我が国の産業技術の創出と持続的な成長に貢献するもの。

 産業技術力の強化の観点から、大学・研究機関等の若手研究者(個人またはチーム)が取り組む産業応用を意図した研究開発を助成することにより、日本の将来の産業技術力を支える革新的な産業技術シーズの創出と、それを担う人材の育成を図ることを目的に実施しており、2011年度は(1)拠点連携研究、(2)課題解決研究の2つの区分で研究テーマを募集した。

 同事業における表面改質関連の採択研究は以下のとおり。

研究テーマ「高密度・近接プラズマによる1ピースフロー型・超高速・三次元DLC成膜装置の開発」


研究者代表
上坂 裕之(名古屋大学 大学院工学研究科 機械理工学専攻 准教授)
募集区分/研究開発期間
課題解決研究/4年
研究概要
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)は、摩擦部の低摩擦化による省燃費化を支えるグリーンテクノロジーである。従来のバッチ処理に替わる1品処理型のDLC成膜技術があれば、低コストでより多くの部品でDLC膜を使用でき、自動車の省燃費が一層進む。本研究では、従来の100倍以上の成膜速度(100μm/h)でバッチ処理と同じスループットが出せる1品処理型・超高速・三次元DLC成膜装置を開発する。

研究テーマ「低摩擦係数Mo酸化物を利用した耐磨耗・耐溶着性に優れる(Ti,Mo)系酸窒化物硬質被膜の開発」

研究者代表
須藤 祐司(東北大学 工学研究科 知能デバイス材料学専攻 極限材料物性学分野 准教授)
募集区分/研究開発期間
課題解決研究/4年
研究概要
近年、切削加工分野では、環境への配慮から潤滑レスやドライ加工の実現が要求されると共に、切削工具の長寿命化が望まれている。切削工具には、耐摩耗性向上のためにTiN等の硬質皮膜が設けられているが、既存皮膜はその高い摩擦係数から耐摩耗性・耐溶着性に乏しい事が課題となっている。本研究では、低摩擦係数を有するMo酸化物に着目し、耐摩耗性・耐溶着性に優れる新規(Ti,Mo)酸窒化物硬質皮膜の開発を試みる。

 今回採択した助成事業は2011年10月1日より研究を開始。拠点連携研究は2012年9月30日までの1年間、課題解決研究は2013年9月30日までの2年間、または、2014年9月30日までの4年間の研究期間で目標の達成を目指す。