DOWAサーモテック、熱処理加工の強化・拡大のためDLCコーティング事業に参入

　DOWAサーモテック（ http://www.dowa.co.jp/thermo-tech/ ）は、従来の熱処理・表面処理加工に加え、新たにプラズマを用いたDLCコーティング事業に本格参入し、熱処理加工事業の強化・拡大を進める。

　同社では、これまでもPVD（物理蒸着）法のスパッタリングによるクロムドッペ-Ｎ膜や、イオンプレーティング法によるチタン・クロム系複合膜の受託加工を行ってきた。今回新たにDLC コーティングを加えることにより、自動車、機械部品等の幅広い顧客ニーズに対応できる体制とする。

　商品ラインナップとしては、自社で開発したDLC膜と豊田中央研究所より技術導入したDLC-Si（シリコン含有DLC）膜を揃えている。自社開発のDLC膜は、PVD法のみで行う方法と、PVD法による下地処理とプラズマCVD法を複合させた方法の2種類があり、ともに高い密着性を確保しているという。200℃以下の低温プロセスであることから、熱による軟化やひずみが少なく、多様な基材に適用できる。特にプラズマCVD 法による処理方法は生産性にも優れており、一般的なDLCコーティングと比較して低コスト化を実現した。

　豊田中央研究所から技術導入したDLC-Si膜は、基材に微細な凹凸を形成する前処理方法と複雑形状に成膜可能な直流プラズマCVD 法を採用することで、より高い密着性と高速成膜を達成している。これらの特長に加えて、DLC膜にSiを含有することにより耐熱性、耐焼付き性、および油潤滑における低摩擦特性を実現している。

　同社は、DLCコーティング事業において国内市場に加え海外展開も視野に入れ、5年後には売上高年間20億円を目指す。