ダイカスト金型 大同特殊鋼( http://www.daido.co.jp )は、素形材センターの「平成25年度 第29回素形材産業技術賞」において、開発技術名「熱処理が容易な高品質熱間ダイス鋼の開発」で一般財団法人素形材センター会長賞を受賞したと発表した。
素形材産業技術賞は、素形材の品質や性能の向上、素形材生産の効率化、資源およびエネルギー使用の効率化など、素形材産業技術水準の発展に著しく貢献した技術を表彰するもの。
受賞製品の「DHA-WORLD」は、熱伝導率と焼入れ性がともに高い従来にない熱間ダイス鋼で、ダイカスト金型の作りやすさと寿命延長を同時に実現する。高熱伝導率の同品は熱引きがよいため、金型の熱疲労が軽減される。また、焼入れ性が高いため、熱処理の設備能力や操業技術、金型サイズによらず高靭性となる。これらの特長をもつ同品は、疲労軽減によるヒートチェック(金型表面のひび割れ)の抑制と高靭性による大割れ回避で金型寿命の延長を実現する。
また、ダイカスト金型に広く使用されるSKD61(JIS鋼)のダブルメルト材と比較してバナジウム使用量を半減、シングルメルト化によりエネルギーコストを約4割削減と、省資源、省エネを達成した。さらに、2011年には北米ダイカスト協会(NADCA)の規格書に登録された。今回、これらの実績が評価されて素形材産業術賞を受賞したという。
このほか表面改質関連では、「ダイカスト金型用耐久表面処理技術の開発」でトヨタ自動車とオリエンタルエンヂニアリングが奨励賞を受賞した。