新東工業のグループ会社で、タイでの製造・販売拠点のタイ新東工業(以下、タイ新東)は、昨年12月にタイ国ロジャナ工業団地内に新たに土地を購入して、新工場を竣工させ、主に汎用ショットブラスト装置の生産を大幅に拡大させている。
タイへは、自動車メーカーやその部品メーカーをはじめ、多くの日系企業が進出しており、これらの需要先に対しては、同社が鋳造装置や表面処理装置などの設備を日本からの輸出によって納入し、タイ新東は部品供給等の納入設備のメンテナンスを担っていた。
タイ国を含めたアセアン地域は、引き続き需要拡大が見込まれる成長市場で、タイ新東をアセアンにおける「ものづくり」の中核拠点と位置づけて、汎用性の高いショットブラスト装置をはじめ、集塵装置などを新工場で生産し、販売する現地化を推進しており、日系の顧客をはじめ、ボリュームゾーンのローカルでの需要先に対しても、品質や価格面で競争力をもった製品を生産・販売できる体制を確立した。
新工場での「ものづくり」は、徹底したコスト分析による内外作区分や調達先の見直しを行うほか、設計変更等によるコストダウンを追及するとともに、市場ニーズに対応できるリードタイムの短縮(機種によっては従来より30%短縮)を実現している。
また、先の大洪水によって水没した旧工場での経験を踏まえて、防波堤の設置に加え、洪水時の電源確保や緊急避難して事業継続を可能とするための工場内のインフラを整備している。