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SEMICON Japan 2024

 

IHI機械システム、蒸気凝縮式真空脱脂洗浄機が優秀省エネルギー機器表彰で経産大臣賞

IHI機械システム「エヴァクライオ IWV-34C」 IHI機械システム( http://www.ihi.co.jp/ims/ )の蒸気凝縮式真空脱脂洗浄機「エヴァクライオ IWV-34C」が、日本機械工業連合会が主催する「平成25年度(第34回)優秀省エネルギー機器表彰」で経済産業大臣賞に選定された。

 金属加工部品の機械組立には潤滑油や焼入油などを落とす脱脂洗浄が必要である。オゾン層破壊で使用禁止のフロンやトリエタンの代わりに石油系溶剤の減圧蒸気凝縮による真空脱脂洗浄機が普及したが、同等の洗浄性能を得るために大溶剤量(2500ℓ 以上)や大電力消費が必要という課題があった。同機は、ヒートポンプ式熱回収システムとクライオ乾燥システムを採用することで、これら課題を克服した。

 ヒートポンプ式熱回収システムは、溶剤の蒸留再生に必要な工場循環冷却水を廃止し代わりに代替フロン系冷媒を使って 100%熱回収する。その結果従来品に比べてシャワー液(溶剤)再生量を増加したにもかかわらず総電力消費量を52%低減した。

 またクライオ乾燥システムは、洗浄室&洗浄品を石油系溶剤の飽和蒸気で充分加熱した後にチラー冷却した低温凝縮器を開放し、ヒートパイプ効果による熱移動で高速乾燥するシステムで、乾燥時間を従来の 1/10 に短縮することができた。その結果、洗浄力アップに効果的なシャワー洗浄&乾燥を繰り返すことが可能になり、溶剤保有量が消防法指定容量 1/5以下の少量380ℓにもかかわらず従来品以上の洗浄性能を得た。さらに真空ポンプで溶剤を屋外排出することのない密閉式ヒートパイプ乾燥は溶剤消費量を 55%低減した。

 自動車、産業機械、自動化ラインなどに組み込まれる金属部品は、めっき、コーティング、浸炭焼入れなどの熱処理など表面改質が施されるが、同機はその前後の脱脂に使用される。国内においては地球温暖化対策での需要は落ち着いたが、今後は老朽化に伴う買替え需要が見込まれている。特に消費電力量52%低減と溶剤消費55%低減という特徴は、地球温暖化防止対策だけでなく製品のコストダウン効果も大きいため買替え需要の促進が図れる。また海外においては、我が国のように洗浄機代替が進んでおらず、今後多くの需要が見込まれるという。