展示会のもよう 神奈川産業振興センターや横浜市などが主催する神奈川県内最大の工業技術・製品に関する総合見本市「テクニカルショウヨコハマ2014(第35回工業技術見本市」が2月5日から7日の三日間、横浜市西区のパシフィコ横浜で開催した。
今回は、「未来につながる 新たな技術」をテーマに、「ビジネスソリューション」、「生産(加工技術)」、「生産(機器・装置・製品)」、「環境・エネルギー/福祉」、「産学公・企業間ネットワーク」の五つの分野を設け、技術革新、商品開発に積極的に取り組んでいる企業など、過去最大となる556社・団体が出展、表面改質関連の企業も数多くPRを行った。
各種工業用熱処理設備メーカーの東京瓦斯電炉では、標準量産化を行っているガス雰囲気炉や連続式オーステンパ―炉を出展。同社の古い連続式熱風テンパー炉を新しい炉に代える際に通常より20%割引くキャンペーン(今年3月末まで)などで来場者を集めた。熱処理を中心に受託加工を行っている丸眞製作所は、自社開発の窒化処理「MX処理」を紹介、処理時の寸法変化を2μm以下にし、金型や切削工具などの耐久性を高めるとした。また、同処理とチタン系コーティングを複合処理する「MX-IP処理」では、同一ロットで連続して処理が行えるため、従来のイオンプレーティングに比べ密着性が高く、面圧負荷の大きい金型および工具の耐久性を高めることが可能になるとした。
パーカー熱処理工業が出展したホンダ「RC212V」 パーカー熱処理工業は、ロードレース世界選手権MotoGPに参戦したホンダ「RC212V」の実機を展示。同社では、RC212Vのエンジンシリンダ内面にニカジルめっきを施してからシリンダ内壁に耐摩耗性に優れた被膜を生成させ、ホーニング加工で寸法精度の向上を行っている。また、ミッションギアにおいては、低圧浸炭処理設備「ICBP」で熱処理を行っている。同社では、前述の処理など多くの部品において、二輪に限らずホンダのレーシングカー全般に処理が採用されているという。このほか、パネル展示では、軟窒化処理と酸化処理を同時に行うことで各種機械的強度と高耐食性を付与させる「イソナイトLS」や、ステンレスの耐食性を劣化させることなく窒化処理を行う「SPナイト」の熱処理のほか、DLCコーティングの提案も行った。
不二WPCでは、金属の疲労強度向上と微細なディンプルを付与するショットピーニング「WPC処理」処理や、金属加工の最終仕上げとして用いられる鏡面加工「3Dラッピング」、安定した密着力でナノレベルの薄膜を成膜するDLCコーティング、各処理の複合処理による機能向上などをPRした。