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第9回ものづくりワールド名古屋

 

三菱電機、水滴・氷雪などの付着を抑制できるコーティングを開発

 三菱電機は、金属やプラスチックなどの表面に塗布する新しいコーティング技術として、乾燥した粉じんやほこりだけでなく、水分を多く含んだ湿った汚れや水滴・氷雪などの付着を抑制できる「スマートエアコーティング」を開発した。

  同社では防汚コーティングとして、親水性、疎水性の多様な粉じんの付着を抑制できる「ハイブリッドナノコーティング」を開発し、ルームエアコンや換気扇へ適用して、汚れによる効率低下の抑制をしている。今回、水起因の汚れ(泥汚れ、ぬめりなど)や、氷雪の付着を抑制したいというニーズに対し、同コーティング技術を開発した。

成膜後の構造成膜後の構造 この技術は、ナノ微粒子を疎水性樹脂へ分散させる技術を高度化し、独自の超撥水材料を開発した。さらに、粗大粒子と組み合わせ、約10μmの凹凸構造を形成できるコーティング技術を開発した。各粒子のサイズと形状、表面物性を制御することで、凸の高さが均一で深い凹凸構造が得られる。凹凸構造の表面は超撥水性を有するため、液体の水と接した場合でも水が浸入することがなく、空気の膜が形成されている状態となる。均質で深い凹凸構造であるため、均質でμmサイズの厚みを持つ空気の膜を得ることができる。このような空気の膜により、粉じんや水滴、氷雪などの付着を抑制できるという。

 帯電抑制効果のある粗大粒子と、均質な空気の膜による表面平滑性により、一般的な超撥水コーティングに比べて、帯電や引っかかりによる粉じんや水滴の付着を極めて少なくでき、霧雨などの微小水滴の付着も抑制することができるという。コーティング膜はわずかに白濁した薄膜となるが、着色することも可能。また、簡易なスプレー塗布が可能で、高温の加熱などが必要なく、環境負荷の低い方法で成膜できる。

スマートエアコーティングによる汚れや水の付着抑制効果スマートエアコーティングによる汚れや水の付着抑制効果