旭エレクトロニクス、スプレー塗装の技能訓練が行えるバーチャルリアリティシステム

　旭エレクトロニクス（ http://www.aec.co.jp/ ）は、バーチャルリアリティシステムを使ってスプレーガンによる塗装の技能訓練を行うことができる「3Dスプレーペイントトレーナー SPT3D」の販売を開始した。

　同品は、大型スクリーンに立体表示した塗装ワークに対して、実物のスプレーガンを使用してバーチャルに塗装を行う。スプレーガンと専用メガネにセンサを取り付けることで位置と姿勢を取得、ユーザー動作に追従した映像を再現して作業が行える。

　作業後は、塗装の膜厚分布や任意の点の膜厚を測定するなどして結果が蓄積できるほか、作業をリプレイしてスプレーガンの軌跡を再現することが可能。これにより、熟練技能者の作業工程を参考にすることができるため、技能の伝承にも役立つ。用途としては、スプレー塗装の技能向上のほか、モックアップ作成前のシミュレーション、危険なシーンでの操作訓練を想定している。

　同品は、造船業界を中心に普及しているという。納入先では、これまで鉄板などに実際に塗料を使用して塗装の練習を行っていたが、同品を使用することで塗料を使用せずに済むことから、コスト低減やVOC排出削減にもつながっている。今後は、自動車や航空機、建設機械などの分野開拓を狙い、ロボット塗装などについても対応していくという。