単層CNT融合新材料研究開発機構(TASC)と産業技術総合研究所(産総研)は、カーボンナノチューブ(CNT)を溶媒中に高濃度で分散させることによって、基板上に塗工・印刷が可能な単層CNTコート剤を得ることに成功し、単層CNTを一定の厚さを保った上で大面積厚膜を塗工する技術や、単層CNTの微細パターンの成形を低コストに印刷する技術を開発した。これらの技術を用いることで、電池用電極部材などをはじめとする様々な製品に低コストで単層CNTを利用することが可能になるという。
今回開発したCNTや複合材料の膜の試料提供と技術移転をTASCを通じて積極的に進めることで、企業との連携とともにCNTの用途開発を進める予定。同時に、CNT膜の構造(空隙率など)制御技術、異種材料(金属など)との複合材料膜形成技術などの基盤技術を引き続き開発する。なお、今回の成果は、NEDOのプロジェクトの一環として行われた。
単層カーボンナノチューブの大面積塗工膜と微細パターン