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SEMICON Japan 2024

 

トーヨーエイテック、新型PVDコーティング装置を開発し本社工場に導入

トーヨーエイテック「TF-778N型」 トーヨーエイテック( http://www.toyo-at.co.jp/ )は、新型のPVD(物理的蒸着法)コーティング装置「TF-778N型」を開発し、本社工場に導入した。2014年度中に東京工場にも導入する。これにより、同社の戦略商品である「低温TiC」のさらなる高品質・高性能化の実現を図る。

 同装置は、大型のアーク式イオンプレーティングのPVDコーティング装置。成膜へ影響力を及ぼす磁場のシミュレーションや品質工学を活用し、高速で緻密なコーティング膜を生成できる制御技術を新たに開発。これらを装置に採用することで、従来よりも高品質・高性能な膜の生成が可能となった。膜の結晶構造が最適化されることにより、高硬度と高靭性を両立することが可能になり、成膜時のドロップレットも飛躍的に減少することができ、優れた摺動性を実現する。

 また、これまで工作機械の開発で培ってきたNC制御技術を活用し、ガス流量や炉内温度調整など成膜に必要な諸条件をきめ細かく制御できるようにしている。従来よりも高品質・高性能な膜の生成が可能となることとあわせ、新膜の生成にも適した装置になったという。

 同社の表面処理事業では、拡大するPVDコーティング市場での拡販が鍵となるとしており、新型装置を本社工場と東京工場へ設備することで、「低温TiC」の商品力アップに加え、「将来が有望な自動車部品向けDLC膜や新膜の適用も容易になる」としている。表面処理事業の前期売上は25億円、今期は27億円程度になる見込みであり、中期的には30億円を超える事業へと成長させる予定。