ダイセルなど、レーザー照射による金属樹脂接合技術

　ダイセル（ http://www.daicel.com/ ）とダイセルポリマーは、金属と樹脂を一体化する新技術「D LAMP」を開発したと発表した。

　同品は、金属の表面にレーザー照射による特殊形状を形成し、これを金型内に配置して熱可塑性樹脂を射出成形（インサート成形）することで接合する技術。これにより、特殊形状内部に樹脂が入り込みステッチアンカーと呼ぶ樹脂部分を形成するため、金属と樹脂を高い強度で接合する。

　この技術は、ステンレス、アルミをはじめ、様々な金属部材に適用可能で、また金属に近い線膨張係数を持つ長繊維強化樹脂と組み合わせることで、より高い接合強度と耐久性に優れた接合が可能となる。

　また、従来の接着剤による接合や金属表面の薬液処理による接合とは異なり、溶剤や廃液、廃棄物などの発生がないドライプロセスであるため、環境負荷低減も図ることができる。

　現在、ダイセルポリマーでは、次世代の金属代替材料として期待されている長繊維強化樹脂「プラストロン」を展開しているが、同品を組み合わせることで、これまで樹脂単体では困難であった金属部品の樹脂化が可能になる。
　
　自動車分野においては、軽量化や燃費改善、二酸化炭素の排出削減に、またOA機器など工業分野においては、部品点数削減によるコストダウンなど、様々な分野への応用展開を進める。