会場入り口 第5回高機能フィルム展、第1回高機能金属展などの展示会が4月16~19日の三日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。高機能フィルム展では、フィルムそのものやフィルムの成形・加工技術としてロール・ツー・ロールの成膜装置が、高機能金属展では各種金属材料と金属の機能性を高める表面改質技術などが多数展示された。
高機能フィルム展のもよう 神戸製鋼所では、 各種カソード(DC、DMS、ロータリーマグネトロン)を用いたスパッタリング法によって、タッチパネル・FPD・太陽電池などで必要とされる透明導電膜(TCO)・光学膜・金属膜を成膜する「スパッタロールコータ」や、2本のロール間での放電を利用してSiOx(シリカ膜)を成膜し、有機EL・電子ペーパ・太陽電池などで必要とされるバリア性を付与する「PECVDロールコータ」などの出展を行った。ロック技研工業は、独自開発の酸化インジウムスズ(ITO)採用の成膜装置と蒸着式、スパッタ式両方に対応可能なロール・ツー・ロール方式真空巻き取り式成膜装置の出展を行った。
ウェットブラスト工法の自動化を実演 マコーは、水と研磨材の混合液を圧縮エアで高速噴射し、金属やプラスチック、フィルム、セラミックスなどの表面を洗浄・加工・改質する「ウェットブラスト工法」を紹介。ロボットを使用した実機でデモンストレーションを行うなどして、対象物を変形させずに酸化スケール除去やピーニング加工、濡れ性・密着性向上、摺動抵抗低減等の効果を付与するとPRした。山陽特殊製鋼では、高純度金属粉末を固化成形したPVDコーティング用の合金ターゲットを展示。自社製合金粉末の活用など、HDD向けスパッタリングターゲットで培った技術を基にをMRAM(磁気抵抗メモリ)始めとする磁性デバイス向け合金スパッタリングターゲット材や工具コーティング向けのターゲット材を提供するとした。
新東工業「Sightia(サイティア)」 また新東工業は、同社主力技術のショットピーニングのほか、ピーニング効果を非破壊で検査できる「ECNI–I」の紹介を行った。同装置は、渦電流を利用することで、ピーニング処理加工において未処理品・不完全処理品と正常処理品とを短時間(3秒/1個)で判別することが可能。検査装置単独で導入できることに加え、既存のピーニング処理装置を改造することで検査装置を組込み、自動ライン化することもできることなどをPRした。