IHI機械システム( http://www.ihi.co.jp/ims/ )は、中国の江蘇豊東熱技術股份有限公司(豊東公司)と真空熱処理装置の生産・販売拠点となる合弁会社を設立する。
IHIグループの真空炉・真空浸炭炉事業は、自動車をはじめとする製造業の発展に伴い、順調に成長を続けている。また同分野はダウンサイジングエンジンの普及ならびに燃費規制・排ガス規制の強化を背景とする部材の軽量化や高機能化の流れを受けて、今後も引き続き成長が見込まれているという。同社では、中国市場においてもさらなる事業拡大を図ることを目的に、今回の合弁事業を開始する。
IHIグループの真空炉・真空浸炭炉は、日本国内市場でトップシェアだという。タイをはじめとするアジア市場においても幅広い実績がある。今回の中国における合弁事業により、アジア市場での真空熱処理装置のトップブランドの地位を一層強固なものにする狙いがある。
合弁会社の資本金は3000万元(約5億円)。出資比率はIHI機械システムと豊東公司の折半出資。真空熱処理装置の営業、設計、製造、販売およびアフターサービスを行う予定で、2014年9月に設立予定。工場稼働開始は翌月の10月を予定している。
IHI機械システムの親会社であるIHIは、2008年にPVDコーティング装置を世界市場に販売しているオランダ・ハウザーテクノコーティング、2012年に耐摩耗性コーティング受託加工大手のスイス・イオンボンドを買収。今回の合弁にも見られるように、熱処理・コーティングなどの表面改質事業で世界的な拡大を図っている。