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第9回ものづくりワールド名古屋

 

神戸製鋼所、独ウィーランド社に端子コネクタ用銅板条に施す錫めっき技術供与

 神戸製鋼所は、ドイツの大手伸銅メーカーであるウィーランド社に、端子コネクタ用銅板条に施す錫めっき技術である「新リフローめっき」のライセンスを供与する。ウィーランド社は、欧州での自動車向け端子コネクタ用銅板条分野におけるトップメーカー。

 神戸製鋼所は、アジア地域を中心に端子コネクタ用銅板条を供給しているが、特に自動車分野においては、グローバルな供給体制の確立と調達のマルチソース化が求められており、今回のライセンス供与により、同社を通じて神戸製鋼所と同等の性能・品質を有するめっきを施した銅板条を欧州、米国といった世界の主要マーケットへ供給することが可能となる。

 端子コネクタとは、自動車などで使用される電装品と電線を繋ぐ接続部品のこと。コネクタには多数の端子が入っており、端子の表面には用途に合わせ、めっき処理が施される。

 近年、自動車における電装化の進展に伴い、必要とされる端子コネクタの数やコネクタ一つあたりの端子数も増加(多極化)している。一方で、自動車の組立工程における電装品への端子コネクタ接続工程は手作業であることから、接続時の作業員負荷の増大、組立工程での生産性低下という問題が生じていた。

 こうした状況の中、神戸製鋼所は、主に自動車向け端子コネクタ接続時の作業負荷軽減を実現するめっき技術として、新リフローめっきを2007年に開発した。軟質な錫めっきの表面に硬い銅錫合金を部分的に露出させることで滑りが良くなり、低挿入力を実現する。この技術を使用した端子コネクタでは、形状にもよるが、通常のリフロー錫めっき製と比較し、挿入力を約3割低減させ、生産性を向上する。

 神戸製鋼所はウィーランド社に、2009年4月に電気・電子用部品銅合金「SuperKFCシリーズ」、2012年11月に端子コネクタ用銅合金「CAC5」をライセンス供与している。