メインコンテンツに移動
SEMICON Japan 2024

 

トーカロ、水力機械向け溶射で耐土砂摩耗コーティング技術の開発

耐土砂摩耗コーティングの微細組織耐土砂摩耗コーティングの微細組織 トーカロ( http://www.tocalo.co.jp )は、中国清華大学 潘偉(パン ウェイ)教授と共同でポンプや水車などの水力機械向け溶射技術として「耐土砂摩耗コーティング」を開発した。ランナーやケーシングといった部品に溶射を行うことで耐摩耗性を向上、部品の長寿命化を図る。

実験の模式図実験の模式図 溶射材料はタングステンカーバイド(WC)系サーメット粉末、溶射法は複雑構造体へのコーティングが可能である高速フレーム溶射(HVOF)を採用。中国清華大学が行った実験では、平均粒径100μmのアルミナ(Al2O3)粒子を1cm3あたり0.42g水中含有した土砂を角度別に秒速50mで試験片に噴射した。

 その結果、中国のポンプ材料としてよく使用される27%クロム鋳鋼と比べ、角度が20度で19倍、90度付近で6倍だった。また、従来法のビッカース硬さHV1270のWC系溶射被膜と比べても90度付近で6倍の耐土砂摩耗性を示した。

 今後、清華大学と中国産業用ポンプメーカーと共同で、耐土砂摩耗コーティングの実証試験を予定しており、新たな成長分野として位置づけられている環境・エネルギー分野や石油・ガス分野など、グローバル市場での溶射加工の需要開拓を進める。