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SEMICON Japan 2024

 

日本トライボロジー学会、第10回固体潤滑シンポジウムが開催

シンポジウムのもようシンポジウムのもよう 日本トライボロジー学会( http://www.tribology.jp/ )第2種研究会の固体潤滑研究会は10月21日~22日、東京都新宿区の東京理科大学森戸記念館で「第10回固体潤滑シンポジウム」を開催した。2007年以来の開催となる今回は、基調講演として「固体潤滑の基礎と未来」、「固体潤滑法」と題して、基礎的研究として「超低摩擦と長寿命化」、「新しい固体潤滑材料」、応用技術として「新しい固体潤滑ニーズに応えて」と題して、以下のような講演が行われた。

基調講演

「これからの固体潤滑に期待するもの」加藤孝久氏(東京大学)…今後の固体潤滑には、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜のような低摩擦化や、摩擦制御の技術が求められると概説した。

「乾性固体被膜潤滑剤の活用ポイントを再考する」川邑正広氏(川邑研究所)…代表的な塗布手法であるスプレー塗布作業を例に、トライボ特性に与える影響を調査、薬液の分散具合など処理法の重要性について、あらためて強調した。

「PVD/CVDの基礎」上坂裕之氏(名古屋大学)…標記成膜法による膜の特徴を紹介するとともに、中心技術となる真空やプラズマの技術についても基礎から解説した。

一般講演

「硬質炭素膜の摩擦摩耗と寿命評価」大花継頼氏(産業技術総合研究所)…DLC膜について、各種分析装置による動的トライボロジー反応の観察・評価の結果や、SRV試験機によるはく離評価の結果などを紹介した。

「自動車部品へのDLCコーティング適用技術」加納 眞氏(神奈川県産業技術センター)…省燃費化を目的としたエンジン摺動部品へのDLC膜の適用状況のほか、フルDLCコーテッドピストンなどの今後の適用の可能性について紹介した。

「エンジン用すべり軸受への固体潤滑コーティングの適用」冨川貴志氏(大豊工業)…自動車エンジン用クランクシャフト周りのすべり軸受に対して固体潤滑コーティングを適用したときの、ハイブリッド車などに見られるエンジンの起動停止の繰返しにおける耐摩耗性向上などの効果を紹介した。

「固体潤滑を用いた低摩擦システム設計」足立幸志氏(東北大学)…インジウムを用いたトライボコーティング(摩擦支援蒸着法)や二硫化モリブデン含有DLC膜など、固体潤滑剤を用いた低摩擦システムの設計手法について紹介した。