JIMTOF2014のもよう 10月30日~11月4日、東京・有明の東京ビッグサイトで「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2014)」が開催、切削・研削・研磨・プレス加工などの工作機械をはじめ、直動案内機器や軸受などの工作機器、工具、工具・金型のコーティング、加工油剤などの関連技術が一堂に会した。我が国ものづくりの競争力を高める加工の高精度や高効率加工、省エネルギー、低コスト化を実現する多軸機や複合機、その可動部を支える軸受や直動案内などの機械要素技術、切削工具や金型の耐久性を高め加工品位を高める各種コーティング技術も多数出展された。
表面改質関連では、各種コーティングの受託加工メーカーや成膜装置メーカーが出展した。
オンワード技研は、パンチなどの金型を想定した超高硬度DLC膜「AC-X・W」を紹介。硬さ60~70GPaと高硬度で膜厚1μmを実現し、アルミニウムや銅加工の耐凝着対策に有効であるとした。12月以降に受託加工の受付を開始するという。アヤボでは、切削工具や金型などに対して、コーティングの前処理である研削・研磨工程とPVDコーティング工程を一貫生産する「nano warp」を提案。このシステムにより短納期・低コスト・高品質を実現する。PVDコーティングは、アークイオンプレーティング、ホロカソード、スパッタリングと三種の成膜方式を用意しており、顧客の要望に適したコーティングを選定する。
日本エリコンバルザースのブース 日本エリコンバルザースは、マイクロドリルの寿命を飛躍的に向上する同社最新コーティングの「BALIQシリーズ」を施した各種工具を展示したほか、設置スペースがコンパクトで、高速、高精度、高柔軟性なコーティングを実現するシステム「INGENIA」の実機を展示。同装置では、同社のHIPIMS(High Power Impulse Magnetron Sputtering)ソリューションであるS3p(拡張可能なパルス出力プラズマ)テクノロジーにより、表面が滑らかで高密度のコーティングを実現し、特許技術である万能マグネットシステムVMSにより安定したコーティング時間と高品質のコーティングを提供する。
IHIグループのブース IHIグループは、IHIイオンボンドがCVD、CVA、PVDおよびPA-CVD装置のラインアップを提案、切削工具・金型・各種機械部品・航空エンジン部品・医療機器などの性能向上を図るコーティングサービスを紹介した。装置販売においては、IHI機械システムが真空・加圧脱脂焼結炉、真空浸炭炉、真空脱脂洗浄機、真空炉などの熱処理関連装置、IHIハウザーコーティングがPVD/PACVD成膜装置Flexicoatシリーズと、工具・金型分野で適用されている最新のアーク成膜技術「CARC+」を中心にポスター展示と工具、自動車部品のコーティングサンプルも展示した。