日本アビオニクス( http://www.avio.co.jp/ )は、エコカーの需要増加に伴い軽量化・エレクトロニクス化が加速する自動車向けのハーネス、二次電池、モータなどの製造において、銅やアルミ等の金属材料を超音波振動により溶接する超音波金属溶接機「SW-3500-20/SH-H3K7」の販売を開始した。
同社は、抵抗溶接、レーザ溶接、パルスヒートはんだ付け、超音波溶接の4種類の接合工法の製品をラインアップしている精密接合装置の総合メーカー。溶接形状、サイズ、度、外観などの要望に最適な接合工法の提案や、複数の接合工法を組み合わせた複合接合の提案を行うなど、ニーズに合わせた最適な接合ソリューションを提供している。
近年、地球規模の環境とエネルギー問題を背景に蓄電、配電技術の重要性が高まっている。特に自動車では電動化促進により蓄電部品(電池、キャパシタ)および配電部品(ハーネス、バスバー)の主要材料であるアルミ・銅の溶接技術が重要となっている。さらに、軽量化による燃費向上と材料費低減の目的でハーネス材料が従来の銅からアルミへの置換えが図られており、アルミ線と銅端子の溶接が増加しているという。同品を使用することで、大きな変形を伴うアルミ線溶接においてツールとワークの滑りを低減し、安定した溶接を可能にするという。
同品の主な特徴は以下のとおり。
- 加圧追従機構
超音波ヘッドの加圧機構にスプリングを使用する追従方式を採用することにより、良好な加圧応答性が得られることでホーンとワーク間の滑りを抑え、接合安定性が向上する。
- 高剛性加圧機構
超音波ヘッドに剛性の高い加圧機構を採用することにより、高加圧でもたわみが小さく、溶接面圧力を均一に保つことができる。
- 周波数自動追尾方式(ATHMOS:Automatic Tuning Hold Master Oscillator System)
同社独自の超音波発振制御技術により、大きな負荷がかかった状態でも安定した超音波振動振幅を得ることができる。高出力、高荷重を必要とするアプリケーションに適している。
- 高性能デプス制御
1μm分解能リニアスケールにより、ワーク沈込み量、ワーク高さを精密に検出し、検出値に連動した発振制御を行うことができる。
- 4種類の発振制御方式
タイマー(時間)、デプス(ワーク沈込み量)、ハイト(ワーク高さ)、エネルギー(印加エネルギー)の発振制御方式から、アプリケーションに応じて最適な方式を選択できる。