富士通研究所は、サーバやパソコンなどのICT機器のプラスチック筐体に適用可能な水性植物性塗料を開発した。
今回開発した水性植物性塗料は、植物由来のポリ乳酸樹脂のエマルションを用い、反応性に富むイソシアネートとの結合による硬化反応と加熱によるポリ乳酸樹脂の粒子間の融着を同時に進めることで、低温乾燥での塗膜化を実現している。開発した塗料は、従来の溶剤系塗料と比べて、CO2発生量を60%、揮発性有機化合物(VOC)を80%削減できるという。開発に当たっては、塗料メーカーのミカサペイントが協力した。
サーバやパソコンなどICT機器の塗装を溶剤系塗料から水性植物性塗料に切り替えるためには、ICT機器の筐体塗装に求められる塗膜性能である、硬度、密着性、耐薬品性、耐候性、意匠性などの課題があった。具体的には、塗布基材と密着性が低くもろい塗膜となる、水の付着により塗膜が白く変化してしまう、樹脂粒子間を接近、融着させるために水分を蒸発させ乾燥する必要があり、乾燥温度を100度以上にするため変形してしまう、などの課題があった。
溶剤系塗料、水性塗料、水性植物性塗料の組成