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トライボコーティング研、平成26年度第4回研究会を開催

 トライボコーティング技術研究会( http://www.tribocoati.st )主催、板橋区共催の平成26年度第4回研究会が12月12日、東京・板橋の板橋区立ハイライフプラザで開催された。

 当日は、板橋区 産業経済部 藤田浩二郎部長と大森 整会長(理化学研究所主任研究員)の開会挨拶に続いて、トプコン 技術統括部 技監 高橋 崇氏が「溶液から成膜する機能性薄膜の開発」と題した講演を行った。講演では、光学機器メーカーである同社において、社内から要求のあった各種機能膜について紹介を行った。溶液コートは、真空蒸着法と比べてプラスチック部品や大物、少量生産、有機膜などにメリットがあるとし、物理的な成膜方法が苦手とするニッチ分野への適用を促しているとした。講演で紹介された防汚コート、親水コート、反射防止黒色膜、水性塗料については、外部の受託加工についても相談に乗るとしており、今後自社製品以外への適用も視野に入れているとした。

 続いて理化学研究所 大森素形材工学研究室の加藤照子氏が「クリーン加工を目指した水電解プロセスについて」と題して講演。注射針の刃先にELID(電解インプロセスドレッシング)研削を適用した事例について解説した。講演では、SUS304針管に対し、油を使用することなく水のみで電解試験を行った結果、砥石表面に酸化被膜が形成されることを報告。また、水(湧水)のみでELID研削を行い、♯1200メタルレジンボンド砥石(ND含有)を使用し、針先端の加工(Ra:207nm)が可能であることが分かったとした。今後、ND含有微粒砥石を使用し、表面粗さの低減を図るという。

 講演終了後は、会場近くの理化学研究所 板橋分所の施設見学が行われ、ELID研削の設備や研削事例の公開を行った。

平成26年度第4回研究会のもよう平成26年度第4回研究会のもよう