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SEMICON Japan 2024

 

山陽特殊製鋼、溶射などに適用できる真球度を極限まで高めた高融点の金属粉末を開発

開発し た高真球粉末の拡大写真開発し た高真球粉末の拡大写真 山陽特殊製鋼( http://www.sanyo-steel.co.jp )は、真球度が高く、流動性に優れた高融点の金属粉末を開発した。レーザーコーティング、溶射、肉盛り等の高機能コーティングや3Dプリンター、電子機器などの接合材料等に適用できる。

 開発した金属粉末は、真球度の高い粉末を得られるディスクアトマイズ法と呼ばれる製造方法に独自の開発技術を適用したことで、従来同法で製造が難しかった、強度、耐食性、耐摩耗性、生体親和性等を備えるFe基、Ni基、Co基などの高融点金属の各種高機能粉末の製造が可能になった。また導電性、接合性等に優れるAg系、Sn系等の低中融点の合金も含む幅広い種類の合金設計で高真球形状の金属粉末が製造できる。さらに、金属粉末の真球度を極限まで高めることで、流動性を汎用粉末に比べて50%向上させた。

 金属粉末を用いた高機能化コーティングの機器や3Dプリンターでは、ノズル等を介して金属粉末が供給される。金属粉末の流動性が高ければ、金属粉末がスムーズに供給され、部材を設計通りに製造することに役立つ。これにより造形物の成形性の向上や信頼性向上が期待さる。また、ペースト状樹脂等と混合する電子機器の接合材料などでも、流動性に優れた金属粉末を用いることで、接合ペーストの塗布性向上や接合信頼性の向上が期待できるという。同社では、幅広い合金設計が可能な技術を活かし、航空宇宙、産業機械、自動車、医療、電子機器等の様々な次世代分野での応用を狙っている。