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第9回ものづくりワールド名古屋

 

トーヨーエイテック、低温TiCが成膜できるPVD装置を東日本工場に設置

 トーヨーエイテック( http://www.toyo-at.co.jp )は、昨年3月に開発し本社工場へ導入した新型のPVDコーティング(物理的蒸着法)装置と同型の装置を東日本工場(埼玉県深谷市)にも設置、本格的に稼動を開始した。これにより、同社独自の商品であり戦略商品でもある「低温TiC」のサービスが、中部日本工場(愛知県春日井市)と本社工場に加え東日本工場でも可能となり、今後、3拠点を通じてサービスの拡大を図る。

 東日本工場に導入したコーティング装置は、大型のアーク式イオンプレーティングのPVD装置「TF-778N型」で、最大処理寸法φ700mm(直径)×700mm(高さ)、最大処理重量300kgの能力を有している。成膜へ影響力を及ぼす磁場のシミュレーションや品質工学を活用し、高速で緻密なコーティング膜を生成できる制御を採用しており、より高品質・高性能な膜の生成が可能だという。膜の結晶構造が最適化されることにより、高硬度と高靭性を両立させるだけでなく、成膜時のドロップレットが減少することで、優れた摺動性を実現している。

 同社は、市場が拡大しているPVDコーティングの戦略商品として低温TiCを開発し、2007年4月より本格的に受託加工を開始した。コーティング後の金型の寸法・形状精度が高く、耐摩耗性・滑り性にも優れるという特長を有しており、その優れた性能が市場で高く評価され、着実に需要が伸びているという。従来、低温TiCの処理は中部日本工場が中心で、中部日本工場の遠隔地からでは金型の輸送(往復)に時間がかかるため、低温TiC処理の要望があっても、納期の折り合いがつかないケースが多々発生していた。その打開策と処理能力拡大策の第一弾として昨年3月に、自動車産業が集積している九州にも近い本社工場へTF-778N型を導入し、サービスの拡大を図ってきた。

 今回は自動車産業の集積が進んでいる東北にも近い東日本工場に設置することで、関東以北へも低温TiCの拡販が可能になる。