展示会のもよう 「第6回高機能フィルム展(フィルムテックジャパン)」、「第4回高機能プラスチック展(プラスチックジャパン)」、「第2回高機能金属展(メタルジャパン)」の各素材をテーマにした「高機能素材ワールド2015」や、スマートフォン、タブレットPCなどのFPDとその製造装置が集結する「第25回ファインテックジャパン(フラットパネルディスプレイ技術展)」など八つの展示会が4月8日(水)~10日の三日間、東京ビッグサイトで開催された。
パルメソが展示した「PERET」の試作機 パルメソは、フィルムや金属の素材または表面改質層などに対して、材料表面の摩耗量の変化を摩耗率という指標で表すことで、様々な材料の深さ方向の表面強度を比較することができる「MSE試験装置」の実機展示を行った。また、8月末販売予定の分析前処理用エッチング装置「PERET(ピーレット)」の試作機を展示。同装置は、セラミックスや樹脂、ゴム、金属など様々な材料表面において変質なくサブミクロン分解能のエッチングを可能にしたことにより、既存の分析装置(XRD、ラマン分光、SEM、X線残留応力など)の深さ方向分析が行える。短時間処理を行えることや、簡易な操作、最小エッチング深さ10nmと高分解能が可能な点などを利点として、6月から装置購入の予約やテストを受け付けるという。
プランゼ―ジャパンの展示物 プランゼ―ジャパンは、モリブデンやタングステン、タンタル、ニオブ、クロム、チタン、アルミ合金などのPVDコーティングのターゲット材を紹介。薄膜型太陽電池、半導体といった電子産業用途から切削工具向けハードコーティング、ガラスコーティングなど多岐に渡る用途を提案した。また、大同特殊鋼は優れた導電性と低反射率を併せ持つメタルメッシュ用Cu合金ターゲット材を紹介。タッチパネルの透明導電膜に一般的に使用されるITOのシート抵抗値が50~100 (Ω/□)であるのに対し、同品は約0.2(Ω/□)と純Al並みの低抵抗化を実現したという。これにより、反射率はプロセスを追加することなく平均10~20%に抑えられ、さらにCu主体の金属とすることでエッチングによる細線化が容易になった。
シンク・ラボラトリーが展示したDLCコーティングを成膜した印刷ロール シンク・ラボラトリーは、印刷ロールで広く普及している銅めっきやクロムめっき、エッチング、彫刻を省いてレーザー技術とDLCコーティングで表面に絵柄を形成した製品を展示。同社では、1μmオーダーからのパターニングが可能で、様々な形状を自在に設計できる。展示した印刷ロールのほか、機械部品や金型への受託加工も行っており、順次拡大をしていく予定だという
エア・ウォーターが展示した「QuickSnow」 エア・ウォーターは、ドライアイススノー(Co2)を利用したドライプロセスの洗浄システム「QuickSnow(クイックスノー)」の実機を展示。同システムは液化炭酸ガスからドライアイス微粒子を生成し、これを高速で洗浄対象物に衝突させることで、精密部品や基板表面の有機物やパーティクルを除去する。乾式洗浄装置のため、従来方式の薬液洗浄や湿式洗浄のような薬液汚染や洗浄痕、液面張力による対象物の破壊といったリスクがないことや、エアブローでは除去が難しい微粒子にも極めて良好に対応できるなど、ミクロンオーダーの異物に対して効果的な洗浄をドライプロセスで提供できるとPRした。