リヒテンシュタインのエリコンバルザース( http://www.oerlikon.com/balzers/jp )は、ドイツで受託コーティングを行うナノゲート社に、プラスチック向けコーティングシステム「ePD」を搭載した「INUBIA I6」が採用されたと発表した。
ePDは、embedded PVD for Design partsの略称で環境に優しい未来志向のコーティング手順を意味するという。エリコンバルザースでは、顧客からプラスチック部品に金属表面を付加する要求があった際に同システムを提案している。システムのコーティングプロセスは、六価クロムなどの有害な化学物質が使用されておらず、電気めっきに比べて環境に優しいことが特徴で、コーティング対象物のリサイクルも可能。自動車の内装や外装に使用されるプラスチック部品に対して光沢またはマットなメタリックのカラーバリエーションによる外観を提供するほか、光透過性や放射線透過性といった機能が付加されることで外部要因による部品の劣化を防ぐことができる。
同コーティングシステムを導入したナノゲート社は、プラスチック向けのコーティングを行っており、自動車、電気、建築、通信、医療などの多岐に渡る分野で実績があるという。ナノゲート社では、2017年末に施行される欧州のREACH規制に向けて、2016年上半期に今回採用の装置稼働を開始しアプリケーション開発を進めていく。潜在用途には、自動車のバックミラーカバー、操作部品、装飾片などを想定している。
なお、日本エリコンバルザースによると、アジアでは中国において同システムの導入事例があるが、日本ではまだないという。
INUBIA I6