IHIは、ドイツで熱処理受託加工を中心に展開するVTNの全株式を取得する株式譲渡契約を、同社の大株主であるドイツBPE Unternehmensbeteiligungen G.m.b.Hが運営するファンドおよび他の少数株主と締結した。
IHIグループでは、100%子会社であるIHI機械システム(IMS)で真空炉・真空浸炭炉といった真空熱処理装置を製造・販売し、グローバルに装置や加工の提案を行っている。また、2008年にはPVD・PACVDコーティング装置の製造・販売を行うオランダのハウザーテクノコーティング、2012年にはスイスを本拠に世界的にドライコーティングサービスを行っているイオンボンド社を買収して子会社化しており、世界各地で熱処理・コーティング技術を展開している。
VTNは、60年以上の歴史を持ち、真空熱処理、雰囲気熱処理、高周波熱処理など幅広い熱処理受託加工を行っており、売上高は約3000万ユーロ(約40億円)、ドイツ国内に5拠点を持つドイツにおける熱処理受託加工の大手だという。
今回、IHIは欧州における熱処理分野の受託サービス事業に本格参入することで、VNTのプロセスエンジニアリングおよびサービスネットワークと、IMSの装置デザインエンジニアリングが一体となり、顧客に対してこれまで以上に魅力ある装置と熱処理プロセスの提案を行っていく。なお、VTNの本社は従来通りドイツに置くという。