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SEMICON Japan 2024

 

産総研など、AD法や光MOD法を基軸にしたコーティングの実用化を産学官で推進

 産業技術総合研究所(産総研) 先進コーティング技術研究センターと日本ファインセラミックス協会(JFCA)は、先進コーティング技術の実用化促進を目的とした「先進コーティングアライアンス」設立に向け、平成28年2月1日に相互協定を締結した。

 様々な基材上に常温でセラミックス薄膜を成膜するエアロゾルデポジション(AD:焼かずに吹き付けるだけで堅牢なセラミックス膜を作ることができる技術)法や光MOD法(光有機金属分解:大気中・低温でエピタキシャルやフレキシブルなセラミックス膜を作ることができる技術)といった、産総研が開発した先進コーティング技術は、すでに半導体製造装置用部材や、リチウムイオン電池や色素増感型太陽電池などのエネルギー関連部材に応用され始めている。しかし、欧米企業に比べ、日本はコーティングの技術開発と新規市場への戦略的な展開で後れをとっているという。

 今回のアライアンスは、従来のコーティング技術では両立が困難であった省エネ・省資源化と高機能・低コスト化を同時に可能とする国際競争力のある新規の高速・高機能コーティング技術であるAD法や光MOD法を基軸にし、川上産業から川下産業まで幅広い関係企業がバリューチェーンに基づいたアライアンスを組織することで、コーティング市場の円滑な発展を図る。また、海外のコーティングセンター、研究機関とも連携を図りグローバルな情報収集、情報発信ができる国内最大のコーティング拠点を目指す。

 産総研の先進コーティング技術研究センターでは、このアライアンスを軸に、産学官の強固な連携体制のもとで、これらの先進コーティング技術の企業への迅速な橋渡しを進めていく。

 具体的な活動としては、 以下を予定している。
・見学会、国内外の講師によるセミナー、ワークショップ、国際会議等の開催
・会員の要望によるテーマ毎の研究会の設置
・海外機関との連携
・HPによる情報提供
・政策の提言および国家プロジェクトの立案
・共同研究、技術移転、サンプル提供、研修生の受け入れ
産総研など「先進コーティングアライアンス」