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SEMICON Japan 2024

 

昭和真空、レンズ基板に対して付き回り性に優れた膜を形成するALD法の光学薄膜形成装置

 昭和真空( http://www.showashinku.co.jp )は、レンズ基板に対して付き回り性に優れた膜を形成するALD(Atomic Layer Deposition)法を使用した光学薄膜形成装置「Genesis-AR Series」の販売を開始した。

 同社は、光学デバイス向けの薄膜形成装置を重要な事業の柱として位置づけている。 特にレンズへの反射防止膜形成装置は同社の主力製品としている。 光学薄膜プロセスでは、一般的に蒸着法やスパッタ法が成膜手法として知られている。しかし、ボールレンズや高曲率レンズなどをはじめとする複雑な形状の基板が登場すると、蒸着法やスパッタ法では基板の部位によって膜厚が異なるなど 、 付き回りの良い薄膜形成が困難であったという。そこで同社では、蒸着法やスパッタ法とは異なるALDの手法を用いることにより、複雑な形状のレンズ基板に対して、高品質で付き回り性に優れた薄膜形成を可能とする装置を提供し、光学デバイスメーカーにの販売を行っていく。

 ALDとは、原子堆積法という単原子層を1サイクルで成膜する手法。ステップカバレッジ(段差被覆性)が高いため、ボールレンズや高曲率レンズに対しても付き回り性に優れた成膜が可能となった。レンズの中心、外周部、立ち面、凹凸面など、どの位置においても同様の分光特性を得ることができる。

 ALDでは繰り返すサイクルの回数により膜厚を制御するため、一原子層レベルの均一なレイヤーコントロールが可能であり、クラックやピンホールのない高品質で精密な膜を再現性よく成膜することができる。樹脂レンズなど低温成膜を必要とする基板にも対応が可能だという。また、同品では前後工程とつなげるなど自動化への拡張が可能な機構となっている。

 このほか、「バッチ内、バッチ間膜厚分布に優れる」、「省電力・省スペースに対応(同社蒸着装置比)」、「10インチ基板最大50枚一括処理(25枚×2軸)」といった特徴がある。