慶應義塾大学理工学部中央試験所 産学官連携棟 東陽テクニカ( http://www.toyo.co.jp/ )は、慶應義塾大学理工学部中央試験所と地域産学官共同研究拠点整備事業に関する契約を締結、同試験所内に 「ナノイメージングセンター」を開設した。この事業は、慶應義塾大学と東陽テクニカが持つナノイメージング技術を駆使した観察・分析ソリューションを学術・産業分野に普及させ活用することにより、科学技術を駆動力とした経済の活性化と価値創出を目的として いる。
慶應義塾大学理工学部中央試験所は、透過型電子顕微鏡をはじめとしたイメージングツールを基礎科学・基礎工学に活用しており、産学官連携による学外研究支援などの対象となる試料を目的に応じて素早く・的確に作成する技術を備えている。
一方、東陽テクニカでは、3次元硬さイメージングシステムや電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)、走査型プローブ顕微鏡、ナノ・マイクロCTスキャナなど、欧米の最先端のイメージングツールや技術をいち早く導入し、装置販売を目的としたデモンストレーションを数多く行っている。
これら双方が持つ資産・技術を融合し、試料作成からイメージング、さらにはデータ解釈などの技術・情報を社会に提供することで学術・産業両分野に貢献できると考え、独創的で有益な技術の研究開発を行い、成果を再び産業界に還元する「ナノイメージングセンター」を設立した。同センターには、東陽テクニカの分析担当者が3人常駐し、サンプル測定などの受託測定業務も行う。サンプル測定の価格などは個別相談となっている。
同センターが保有している装置は以下のとおり。
・ 2次元硬さイメージングシステム(Keysight Technologies社製)・・・ヤング率と硬度がおよそ1秒で測定できるナノ硬度計。これにより従来ではプロファイルでしか評価できなかった硬さ評価が2次元イメージングとして評価することができる。
・ 3次元硬さイメージングシステム(Nanomechanics社製)・・・硬度とヤング率の2次元イメージングに加え、深さ方向の情報も加えた最新型硬さイメージングシステム。積層構造物の製造プロセスなどの評価に使えると期待されている。
・ 電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM、Carl Zeiss社製)・・・表面極表層の観察と画像診断を可能とした走査電子顕微鏡。
・ 3次元ナノ・マイクロCTスキャナ(Bruker社製)・・・ナノ・マイクロメートルの分解能を維持しつつ、大領域観察と構造の数値化を可能にしたCTスキャナ。
・ イメージング マイクロ蛍光X線分析装置(Bruker社製)・・高いデータ収集速度を備え、10Mピクセル以上の2次元元素分布観察が可能なμ-XRF。
・ 高速走査型プローブ顕微鏡(Keysight Technologies社製)・・・従来5~10分を要していたプローブ顕微鏡画像を最高2秒にまで短縮した最新型SPM。走査電子顕微鏡では難しいナノ粗さ解析・ナノ物性評価が短時間で行える。
マイクロエレクトロニクス・誘電体層と金属層の多層構造:左)SEM像 右)機械特性像・深さ150nm部分を表示
ナノイメージングセンター
・ 名称:慶應義塾大学理工学部中央試験所・東陽テクニカ産学連携室「ナノイメージングセンター」
・ 場所:慶應義塾大学理工学部 矢上キャンパス 36棟
〒223-8522 神奈川県横浜市港北区日吉3-14-1
http://www.toyo.co.jp/company/access/#access_nano