日本産業洗浄協議会などは2011年8月31日から2日までの3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで洗浄システム、洗浄剤、周辺装置メーカー、商社が一同に会し、最新の洗浄技術や環境技術を紹介する「2011地球環境保護 国際洗浄産業展」を開催、22371人が来場した。テーマは「“環境”と“品質”を守る 世界最先端技術・情報が集結!」。
同展では最新の洗浄剤や洗浄機・システムから、溶剤や廃液などの回収装置、水処理や油水分離などの周辺機器などが多数出展されたほか、環境にやさしい適切な化学物質を選定し揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制を支援するため、日本産業洗浄協議会で長年構築してきた「経済的に実行可能な最良利用可能技術(EVABAT)」も紹介された。
洗浄装置では、ナチサーモテックが真空脱脂洗浄装置「クリーンマスターJ」を紹介。ジェット、スプレー、シャワー、ベーパーの4種類の洗浄機能を持つ同装置は、自動車、産業機械、電機分野などに組み込まれる金属部品の加工工程で付着する油汚れを炭化水素系溶剤を用いて、減圧下で安全に脱脂から乾燥まで自動で行なう。主に自動車・産業機械・電機分野などの精密熱処理の前工程や消防法の規制や、設置スペースの制約で従来機の導入ができなかったカスタマーを中心に提案を行った。東製は、完全水系洗浄液「TAKクリーナー」、直振動式超音波洗浄機、洗浄液リサイクル装置「はなれ技くん」を展示し洗浄液から洗浄液リサイクル装置までトータルで提案を行った。 森合精機は、あらゆるワークにも対応できるジェット洗浄機「msjシリーズ」やバリ取り洗浄機、精密洗浄や洗浄工程の短縮に適したロータリー式洗浄機シリーズ「ROTARY WASHING SYSTEM」等を提案した。
また、洗浄剤ではJX日鉱日石エネルギーが洗浄性能と環境配慮を両立した炭化水素系洗浄剤「NSクリーン」を紹介。同品はパラフィン系炭化水素の単一物質で構成しているため、安全性の高さや乾燥性の良さ、液管理の容易さなどをアピール、優れた性能を実演デモンストレーションで示した。旭化成ケミカルズは、フッ素溶剤とグルコールエーテルを主成分とした「エルノバV」を紹介、HCFC225の代替えが可能で、金属加工部品、精密部品など各種部品の脱脂洗浄に優れているとした。