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SEMICON Japan 2024

 

新会社フリクション設立、ビート向けに各種表面改質を施したオーバーサイズ・ピストンを供給

「ビート」向けオーバーサイズピストン(右)とDLC被覆バイト(左)「ビート」向けオーバーサイズピストン(右)とDLC被覆バイト(左) WPC処理やDLCコーティングなどを手掛ける不二WPC社長の下平英二氏は、8月1日付けで、WPC処理を適用したオーバーサイズピストンなどを手掛ける新会社「フリクション( http://www.frixion.co.jp/ )」を設立した。

 まずは市場に2万台あるというホンダの軽自動車スポーツカー「ビート」向けに、各種表面改質を施したオーバーサイズ・ピストンを供給する。一方で、チューンショップ向けなどにDLCコーティングを施したバイトなどを販売していく。

 排気量660ccのビートに対して、リフレッシュ仕様の0.5㎜オーバーサイズピストン(φ66.5㎜)とレース仕様の1㎜(φ67㎜)オーバーサイズ高圧縮比(ハイコンプ)ピストンをラインナップ。いずれも、シリンダボア内面を損耗部の修復を含めてホーニング加工しつつピストン摺動部となじみのよい表面改質を施すなど、システムで提案していく。特に1㎜オーバーサイズ品は、WPC仕様として耐久性を高める。また、ビートは2013年にも新モデルがリリースされる予定があり、フリクションでは設計段階から表面改質ピストンを売り込んでいく。

 一方、WPCを下地処理としてDLCコーティングを施した超硬バイトなど加工工具も開発、販売を始めている。特にピストンなどアルミ材の加工では、DLCコーティングによって凝着が起こりにくく工具の耐久性が上がるとともに、加工精度の向上にもつながる。また航空機向けなど軽量化手法として採用が進むCFRPの加工でも、ダイヤモンド工具に比べると耐久性は1/2程度になるものの、コストは約1/10に抑えられるため、十分メリットが出せるという。