東洋紡績( http://www.toyobo.co.jp )は、全身性炎症反応を抑制できる抗血栓性コーティング材料「SEC-1(セックワン)」を開発した。12月より、国内医療機器メーカー向けに供給を開始し、血液回路部材のみならず、生体適合性が必要な医療機器に幅広く展開し、数年後に10億円の売上を目指す。
このコーティング材料は抗血栓性に加え、外傷や細菌感染などによって炎症が全身に及ぶ状態を指す「全身性炎症反応」を抑制できる材料。同社では、これまで抗血栓性材料(ヘパリン固定化コーティング材料)を開発し製品展開してきたが、ヘパリンは血液凝固を抑制する優れた薬効を有するものの、全身性炎症反応の抑制は充分ではなかったという。
材料は、動物由来の生理活性物質であるヘパリンとは異なり、合成系材料を使用しているため、生物由来材料で懸念される狂牛病(BSE)等の問題がない。また、種々の樹脂や金属で構成される医療機器の表面に対して最適化されたコーティング加工が可能で各種医療機器への加工性に優れているという。