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SEMICON Japan 2024

 

振動摩擦摩耗試験機「SRV」ユーザーズミーティングが開催

 「トライボロジー特性のデファクト標準に関する研究会」(主査:東京理科大学・佐々木 信也氏、副主査:産業技術総合研究所・間野大樹氏、幹事:パーカー熱処理工業・設備営業部)は3月7日、東京都葛飾区の東京理科大学で「SRV®ラウンドロビン試験報告会」と「第8回SRV®ユーザーズミーティング」を開催した。
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 振動摩擦摩耗試験機「SRV®」はドイツなど欧州、日本、中国などにおいて、潤滑剤や自動車向けトライボロジー試験機のデファクトスタンダードとなっているが、各ユーザーでの試験データのばらつきを検証すると同時に、信頼性の高い評価データを得るための試験方法を決める際の重要な判断材料として「ラウンドロビン試験」が実施・活用されている。近年ではさらに、新しい材料や潤滑剤、あるいは特殊な摺動条件など、産業界の要請に応じたASTM(米国試験材料協会)、ISO(国際標準化機構)などの標準試験方法を策定することも視野に入れ、その試験内容が検討されている。

 当日は午前中に、SRV®試験機の製造元Optimol Instruments Prüftechnik社(Optimol社)とドイツ連邦材料試験研究所(BAM)が立ち上げた、SRV®試験機を用いた国際ラウンドロビン試験に関する報告会が行われた。

 午後にはまた、Optimol社 潤滑剤・トライボロジー エキスパートのAmeneh Schneider博士から、「アプリケーション指向の試験機」としてユーザーの実部品を実使用に近い環境で試験でき、正確で再現性の高い試験結果が得られる最新機種「SRV®5」について、摺動部にトライボフィルムが存在し金属接触になっていないことやトライボフィルムの形成時点を確認できる「電気接触抵抗測定」オプションや、試験条件などのキーワードで試験データをフィルタリングし評価の効率化が図れる解析評価システム「Tribo Profiling®」などの新技術を紹介。同試験機と新機能を用いた各種工業用潤滑油剤や添加剤などの評価事例を挙げて、油圧作動油の評価におけるV104Cビッカースポンプ試験や、ギヤ油の評価におけるFZG試験、グリースの評価におけるFE8・FE9など、試験時間が長くコストのかかる各種試験法の試験時間を短縮し開発コストを削減できる「スクリーニング試験」としてのSRV®試験の有用性を示し、活用を提案した。

講演を行うOptimol社Anemeh Schneider博士(右)と通訳を務めるパーカー熱処理工業・越智直行氏(左)講演を行うOptimol社Anemeh Schneider博士(右)と通訳を務めるパーカー熱処理工業・越智直行氏(左)

 続いて、「トライボロジー特性のデファクト標準に関する研究会」副主査の間野大樹氏が「SRV®試験機の国際ラウンドロビン試験は1988年から毎年実施されていて、他社の試験設備で得られた試験データと比較することで、自社設備の健全性や試験データの再現性を検証し、最適な適用につなげることができる。ラウンドロビン試験に参加して、最新の情報をキャッチアップする良い機会としてほしい」と述べた。

挨拶する間野大樹副主査挨拶する間野大樹副主査

 当日はまた、佐々木信也氏がセンター長を務める東京理科大学 トライボロジーセンターの見学会が行われ、SRV®試験機や3Dプリンタなど、同センターに設置してある多数の試験設備・製造設備が披露された。

試験設備・製造設備について説明する佐々木信也氏試験設備・製造設備について説明する佐々木信也氏