日立ハイテクノロジーズ( https://www.hitachi-hightech.com/jp/ )と筑波大学は、「日立ハイテクアドバンストSEMテクノロジ特別共同研究事業」(研究代表者:伊藤 雅英教授)を4月1日に開始、筑波大学内に新たに設けた研究開発拠点で3年間の共同研究を推進する。
nmスケールでの微細構造観察が可能で試料の扱いも容易なSEMは、ナノテクノロジー分野やバイオテクノロジー分野をはじめ、あらゆる分野の研究開発・品質管理など幅広い用途で活用されている。加えて、クラウドサービスやIoT関連ビジネスの拡大を背景とした半導体デバイス開発、創薬研究などのライフサイエンス分野でも、観察・分析・計測を行うSEMの応用製品が活用されており、社会・産業の発展へのさらなる貢献が期待されている。
そのため、電子銃や信号検出器などSEMの基盤技術の開発が重要な課題となっているが、基盤技術の開発には長期的な研究と従来にない新たな発想が不可欠であることから、企業内研究に留まらないオープンイノベーションが必要とされてきたという。
日立ハイテクは、長年培ってきたSEMの基盤技術である電子線をコア技術として有し、これまで半導体デバイス計測向けの高分解能FEB測長装置(測長SEM)や、新材料などの構造解析向けの電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)をはじめ、世界トップシェアの製品を数多く開発してきた。筑波大学は、世界をリードする研究開発機関が数多く所在する研究学園都市の中核をなす研究大学として、研究開発に必要な経験と知識を有する人財を豊富に擁している。さらに研究成果の産業界への応用をめざした「特別共同研究事業制度」を設けるなど、産学連携による研究への取組みを積極的に推進している。
同事業では両者の強みを生かし、SEMの基盤技術について、より難易度の高い技術課題に取り組むことで、高分解能・高精度・高スループットを実現する技術開発を目指す。産学連携のオープンイノベーションで得た研究成果を製品改良に活用し、IoTなどの社会インフラ、新材料の実用化、病理診断、創薬など幅広い分野を支える新たなSEMおよびSEMの応用製品の開発に取り組んでいく。