日本滑り軸受標準化協議会(PBSA)は3月29日、東京都千代田区の学士会館で「2017年度 第2回総会(通算 第26回総会)」を開催した。
会の冒頭、挨拶に立った笠原又一PBSA会長(オイレス工業)が、「日本主導のTC123分科委員会:SC8(滑り軸受の計算法及び応用)がタイとのツイニングで設立されたことや、フィリピン版『滑り軸受ハンドブック』がほぼ完成しつつあること、会員の利便性を図るためのホームページのリニューアル作業が順調に進んでいることなど、PBSAの活動はほぼ計画通りに遂行されている」と述べた。
笠原PBSA会長
当日は、鉄道総合技術研究所の柿嶋秀史氏より、「鉄道分野の滑り軸受と滑り軸受の電食」と題する講演が行われた。講演終了後は、2017年度 第2回総会に移行。2017年度の活動報告が発表された。
ISO/TC123平軸受国内委員会の活動状況報告では田中 正委員長(大同メタル工業)が、計算法ISのSR(見直し)が行われていること、2018年度にはフランス・ドイツの関係者の来日に合わせて国際交流会議の開催を計画していることなどを発表した。また、SC7において表面改質技術として、MoS2とDLC(ダイヤモンドライクカーボン)を活用した摩擦低減効果に着目した規格化への取組みが進行していることを報告。MoS2では昨年5月に原案作成部会を発足、同年11月のマニラ会議で技術背景のプレゼンテーションを実施したことや、DLCについては日産自動車の研究成果に基づく密着力評価法の標準化案があり、これを標準化対象として今後作業体制を構築していくとした。
田中ISO/TC123平軸受国内委員会委員長
総会終了後の懇親会では、産業技術研究所の是永 敦氏が挨拶に立ち、「PBSAでは滑り軸受のメーカーと自動車メーカーなどのユーザー、アカデミアのチームワークによって我が国の自由貿易を促進する標準化作業が順調に進んでいる。MoS2およびDLCを活用した摩擦低減という日本の得意とする表面改質に関する標準化も強力に進めていきたい」と語った。
是永ISO/TC123平軸受国内委員会 委員