日本板硝子( http://www.nsg.co.jp/ )は、太陽光パネル用の透明導電膜(TCO:transparent conductive oxide)ガラスの増産に向け、総額約380億円の新規設備投資を決定した。太陽光パネルの世界的な需要増大に対応するため、2019年度から2021年度にかけて、現在休止中のベトナムのフロートラインを改修・再稼働するとともに、米国で工場を増設する。
今回の投資決定は、薄膜太陽光パネルの世界的メーカーである米国ファーストソーラー社との長期供給契約によるもので、日本板硝子はTCOガラスの増産により、VA(高付加価値)製品へのシフトを加速していく。
太陽光発電の世界需要は、今後3年間、毎年2ケタ成長が見込まれており、ファーストソーラー社は高いエネルギー収率の最新型薄膜モジュールの生産施設を拡張中だという。
日本板硝子のTCOガラスは、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法によりオンライン(ガラス製造工程)で薄板ガラス上に、透明な導電性金属酸化物薄膜を成膜する。成形中あるいは成形直後の高温のガラス表面に導電膜を形成するオンラインコーティングによって製造され、耐久性の高い膜形成により、幅広い用途に使用できる。オンラインコーティングには大量生産に適し、コスト面で優位などの特長があるとしている。