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SEMICON Japan 2024

 

トライボコーティング技術研究会など、第4回岩木賞にナノフロンティアテクノロジーなど、Jun氏(J&L Tech社)が決定

前回の記念講演のもよう前回の記念講演のもよう トライボコーティング技術研究会、未来生産システム学協会(NPS)などからなる岩木賞審査委員会はこのほど、「第4回 岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」の事業賞と国際賞を決定、事業賞には「酸化チタンとカーボンナノチューブ複合液のコーティングにより開発された、太陽光を効率的に取り込む集熱板」でナノフロンティアテクノロジーと信州大学、国際賞には「低コスト、高性能なコーティング技術の開発及び産業的応用、事業化を通じての日本との交流」で韓国J&L Tech社CEOのYoungha Jun氏が受賞した。各業績の受賞理由は以下のとおり。

事業賞
「酸化チタンとカーボンナノチューブ複合液のコーティングにより開発された、太陽光を効率的に取り込む集熱板」…CNTを酸化チタン前駆体に混合させ、分散状態を維持したままで、細孔を持った膜をコーティングした集熱板を開発、紫外線から近赤外まであらゆる波長の太陽光を約98%吸収し、さらに熱放射も少なく熱を効率的に基板に伝えられることから、太陽熱発電や太陽熱を利用した給湯や暖房などへの適用の可能性が評価された。

国際賞
「低コスト、高性能なコーティング技術の開発及び産業的応用、事業化を通じての日本との交流」…韓国でDLCコーティングの商業化が進んでいなかった1997年に、Youngha Jun氏がDLCコーティング専門企業である同社を設立、切削工具から金型、自動車部品に至る様々なアプリケーションを開拓し同国にDLCコーティングの市場を創成したこと、また日本では講演会や展示会での発表や共同研究や事業にかかる協力を行う一方、日本からの研究者の受け入れを行うなど、国際交流に長年努めてきたことが評価された。

 岩木賞はトライボコーティング技術研究会が提唱、精密科学技術ネットワーク(PEN)が2008年度から創設し表彰していたが、2011年度からは、未来生産システム学協会(NPS)が継承し表彰する。同賞は表面改質、トライボコーティング分野で多大な業績を上げた故岩木正哉博士(理化学研究所元主任研究員、トライボコーティング技術研究会前会長)の偉業を讃え、当該技術分野と関連分野での著しい業績を顕彰するもの。事業賞、国際賞はいずれも今回から新設された賞で、事業賞は、事業化技術または事業/ビジネスモデル、サービスなどが当該業界で影響力を有し、当該業界の知名度を上げる、インフラの構築を行う、社会生活に恩恵をもたらすなどの効果を通して、活性化、発展に貢献し、波及効果を生むなどの活動の成果、努力が認められる業績に贈られる。また、国際賞は、開発技術または事業化技術または事業/ビジネスモデル、サービスなどが当該業界で影響力を有し、当該業界の我が国との関係において協力、連携、協調関係を育み、または当該業界の知名度を上げ、活性化、発展に貢献し、波及効果を生むなどの活動の成果、努力が認められる業績に贈られるもの。

 贈呈式と受賞業績の記念講演は、2012年2月24日に開催される「シンポジウム:第14回トライボコーティングの現状と将来」で行われる予定。