DLC工業会( http://dlck.org/ )は6月7日、東京都港区の航空会館で「平成30年定時会員総会」を開催、役員改選では中森秀樹会長(ナノテック 代表取締役社長)が再任された。
理事を代表して挨拶に立った中森会長は、同工業会設立までの経緯を述べた後、「今後、DLCの学術的な部分をニューダイヤモンドフォーラム(NDF)が担い、産業的な部分を当工業会で担い、二団体で車の両輪のようにDLCの標準化と産業発展に努めていきたい。これまで、平成28年3月にDLCの摩擦摩耗試験法がISO18535として登録、また昨年9月にDLC膜の分類がISO20523に登録された。今後はDLC膜の光学特性評価と密着性評価の標準化を目指して活動を行っていく」と決意を語った。
挨拶を述べる中森会長
当日は平成29年度事業報告、決算報告が行われた後、平成30年度事業計画(案)、同予算(案)について審議、満場一致で可決された。事業計画では、同工業会とNDFが共同で経済産業省のDLC国際標準化に関わる委託事業を受託し担当分野の業務を実施すること、技術委員会が中心となりホームページの充実化や講演会を開催することなどを確認した。
また、当日の席上では今年より新設された「DLC工業会功労賞」の授賞式が行われ、長岡技術科学大学 教授 斎藤秀俊氏が受賞。DLCの基礎から応用に関する研究を第一人者として牽引したことや、DLCのISO規格化に対して中核研究者として貢献した功績が認められた。総会後に行われた受賞記念講演では「DLCを分類することで何が見えたか」と題し斎藤氏が登壇。その中で「沢山の方々にお世話になりながら本日を迎えることができた。DLCを世界の人たちの生活をより良くするような技術として育てていただきたい」と謝辞を述べた。
DLC工業会功労賞を受賞した斎藤氏(右)
同工業会の現時点での正会員は、ナノテック、リックス、アルテクス、トッケン、平和電機、ナノテックシュピンドラー、フロロコート、大塚電子、京都電機器、iQubiqの10社。特別会員は大竹尚登氏(東京工業大学)、大花継頼氏(産業技術総合研究所)、平栗健二氏(東京電機大学)、平田 敦氏(東京工業大学)の4名となっている。