島津製作所( https://www.shimadzu.co.jp/ )は、自動車ヘッドアップディスプレイ(HUD)用ミラーの量産に適した高速スパッタリング装置「UHSP-OP2060」の販売を開始した。
近年の自動車には、フロントガラス周辺に走行情報などを表示するHUDの導入が進んでおり、樹脂成形品にアルミニウム膜などをコーティングしたHUDミラーが光学系に組み込まれている。このミラーは、投影する情報の増加に伴って大型化が進むとともに、耐久性や信頼性が要求される。また、量産コスト面での課題から、汎用性に優れたポリカーボネート(PC)樹脂の利用が期待されているという。
こうした要求に対して同社は、樹脂成形品に真空下で高速に成膜できる高速スパッタリング装置をHUDミラー量産装置として同品を開発した。従来はセットできなかった400mm×180mmの大型ミラーに対応可能とし、200mm×80mmクラスのミラーでは同社従来機比2倍のスループットを実現しする。さらに、成膜前に独自開発の下処理を加えることで樹脂基材とアルミニウム膜の密着性が大幅に向上し、PC樹脂基材では従来合格が難しいとされてきた環境試験をクリア可能にした。汎用性の高いPC樹脂を利用することで、HUD量産コストの削減が期待できるという。