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SEMICON Japan 2024

 

デクセリアルズ、防曇・防汚性に優れた鏡向けコーティング技術開発

 デクセリアルズ( http://www.dexerials.jp/ )は、鏡の最表面を加工することで防曇・防汚性を向上する技術を開発、提供を開始した。

コーティング層の機能コーティング層の機能 この技術は、液晶ディスプレイの最表面への指紋や汚れを取れやすくするために、同社がエレクトロニクス領域で培ってきた技術を応用したもの。鏡に最適化した材料を独自のプロセスでコーティングすることで、撥水・撥油性を保ちながら水蒸気を吸収する層を高い耐久性で形成し、汚れの取れやすさ(防汚性)と曇りにくさ(防曇性)を向上させる。

 同技術は、大手住設メーカーより8月に発売される洗面化粧台に採用されるという。洗面化粧台の鏡には水垢や歯磨き粉をはじめ、油分を含んだ化粧クリームやファンデーションなど、様々な汚れが付着することがあり、視認性を確保するための定期的なメンテナンスが欠かせない。同技術を施した鏡は、汚れが付いた場合でもコーティング層が水や油をはじいて汚れを浮き上がらせ、容易に拭き取ることが可能。これによりメンテナンスの負担を軽減する。
防汚性の比較防汚性の比較

 また、同技術は鏡の防曇性も向上する。洗面化粧台は浴室に隣接した脱衣所に設置されることが多く、浴室から出る湯気が鏡にあたると表面が曇る。しかし、同技術を施した鏡は、コーティング層が水蒸気を吸収するため、湯気があたっても一定の間、視認性を確保できる。浴室の湯気が脱衣所に流入したケースを想定した同社実験では、従来の鏡よりも長く曇らずに視認性が保たれることが確認できたという。
防曇性の比較防曇性の比較

 防曇・防汚技術へのニーズは、車載部品や医療用材料などにおいても高まっているとしており、今後、同社は自動車やライフサイエンス領域をはじめとする様々な分野に、防曇防汚技術を組み合わせた付加価値の高い製品を提案し、事業の拡大を図っていくという。