日本エリコンバルザース( https://www.oerlikon.com/balzers/jp/ja )は6月8日、愛知県西尾市に名古屋工場を開設、同日に開所式を行った。同工場は、愛知県知立市にあった旧工場を移設し、新たに同社の一部門となったシンクロナイザーリングなどの製造・販売を行うフリクションシステムズ部門の工場を併設した。
開所式のもよう
同社の親会社であるエリコンのバルザース・インダストリアルソリューションズの責任者であるMarc Desrayaud氏はオープニングスピーチで「フリクションシステムズと日本エリコンバルザースで連携し相乗効果を図ることで、自動車市場のお客様へより幅広いサービスを提供していく。これは、二つのソリューションプロバイダーが一つ屋根の下に集まったというだけではなく、日本市場へのコミットメント、そしてこの主力市場における当社の成長戦略へのコミットメントである」と述べた。
また、エリコンのオートモーティブソリューションズの責任者であるJochen Weyandt氏は「この新しい施設は当グループの最新技術とサービスを日本市場に提供する。最高の品質基準レベルにおいて、自動車産業の主要なOEMと協業できることを楽しみにしている。日本の自動車産業のイノベーション分野の中心地に工場を開設することで、お客様へは当社の献身的な姿勢だけでなく、すべての表面処理ソリューションにおいて、イノベーションを推進する当社の役割を強調することになる」と話した。
新工場では、最新のコーティング技術、サービス体制を整備しており、切削工具や大型フォーミングツールのコーティングサービスを提供することにより、周辺地域の自動車メーカーの新たなニーズをサポートしていく。同工場の開業により、同社は愛知県周辺の顧客との距離を縮め、平塚本社・工場、栃木工場、静岡工場、神戸工場とともに日本全域にわたって既存顧客および新規顧客に対してより良いサービスを提供していく。
フリクションシステムズ部門では、高性能カーボンシンクロナイザーとモジュールを製造し、日本のOEMに供給している。新工場は日本初となる同部門のカスタマーセンターとして稼働、同社における日本の自動車市場の重要性を強調するもの。この工場施設は、エリコンバルザースとフリクションシステムズの双方の技術とソリューションを組み合わせることにより、自動車産業のためのワンストップショップとしていく。
今回の大規模な投資は、日本の大手自動車メーカーと新しい契約を締結するうえでの厳しい要件を満たすために実施された。同社では「新工場は、エリコングループの成長戦略において新たに重要な基礎を据えるものとなる」としている。
名古屋工場外観