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SEMICON Japan 2024

 

第43回マイクロファブリケーションシンポジウムが10/5に開催

 理化学研究所 大森素形材工学研究室は10月5日13:00~17:20、東京都板橋区の板橋区立グリーンホール( https://www.itabun.com/access/ )で「第43回マイクロファブリケーションシンポジウム(MICRO FABRICATION SYMPOSIUM)」を、板橋区、宇都宮大学オプティクス教育研究センター、日本オプトメカトロニクス協会光部品生産技術部会との共催で開催する。第14回オンデマンド-マイクロ合同シンポジウム、第5回板橋オプトフォーラムとの合同開催となる。今回のテーマは、「マイクロファブリケーション研究の最新動向~光機能素子、新ダイヤモンド切削、バイオプリンティングの最前線~」。

 当日は板橋区長・坂本 健 氏の開会あいさつに続いて、以下のとおり講演がなされる予定。

基調講演
・「光の関連するテーマを楽しく研究しよう ~光触媒を例にして~」東京理科大学栄誉教授、前学長 藤嶋 昭 氏…光触媒の発見で著名な同氏は、大学院生時代に実験中に偶然、酸化チタン(TiO2)に光を照射すると、そのエネルギーによって水が水素と酸素に分解される作用を発見した。これは本多・藤嶋効果と名づけられ、以後半世紀に亘り、世界中にセンセーションをもたらした酸化チタン光触媒の歴史の始まりであった。その後、エネルギー創出や防汚性を狙った応用研究へとつながっている。本講演では、光触媒を例にとり、光に関連するテーマやその応用について解説する。

第一部:マイクロセッション
・「微細加工関連の最新研究動向~MIRAI会議、CIRP(国際生産工学アカデミー)にみ
る微細加工事例~」理化学研究所 大森素形材工学研究室 大森 整 氏…まず、精密生産と持続可能技術をトピックスとした国際会議PRESMと同時開催されたMIRAI会議において発表ならびに議論のあった微細加工事例について紹介する。続いて、退位前の最後の国際学会出席となった天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、600人余を集め盛大に開会されたCIRP(国際生産工学アカデミー)総会の模様、ならびに同総会で発表・議論のあった微細加工に関する最新のトピックスについて紹介する。

・「CO2ガスブロー雰囲気における炭素鋼の超精密ダイヤモンド切削」兵庫県立大学 大学院工学研究科 奥田 孝一 氏…炭素鋼のような鉄系材料をダイヤモンド工具で切削しようとすると、急速な工具の摩耗や、仕上げ面粗さの悪化をきたし、安定した超精密切削は困難である。ダイヤモンド工具の摩耗については特にダイヤモンドの黒鉛化・拡散が問題となる。この現象は加工点近傍での温度や酸素の存在が重要な因子となる。本講演で紹介するCO2 ガスブロー下で炭素鋼を超精密ダイヤモンド切削を行ったところ、工具摩耗の抑制とともに加工面粗さを低減させる効果が確認された。

第二部:オンデマンドセッション
・「薄くて軽い有機太陽電池の現状と課題、応用の可能性について」理化学研究所 染谷薄膜素子研究室 福田 憲二郎 氏…有機半導体の研究開発は、その製造プロセスや材料のバリエーションを駆使することによって、フレキシブルディスプレイや生体計測デバイス、光エレクトロニクスの機能を持つフィルムや衣服、そして衣服に貼り付けて自由に曲げられる太陽電池など応用分野は広範に及ぶ。本講演では、一連の研究開発の概要とともに、薄くて軽い有機太陽電池の研究開発の現状と課題、その応用の可能性について解説する。

・「高精度なバイオプリント技術の開発および細胞シート技術との融合による3次元状細胞組織の作製」早稲田大学大学院創造理工学研究科 田中 龍一郎 氏…生きた細胞をプリンティングして積層できるバイオプリント技術は、細胞の三次元積層により人工臓器の創成につながるなど、将来の再生医療のツールとして期待されている。しかしながら、基本的に積層には一定の時間がかかることから、複雑な形状や微細な内部構造を創成するには長時間を要することとなる。一方、細胞シートは、培養が比較的容易であり、生産能率が高いことから、広く利用されており、再生医療の基本的な素材と言える。そこで本講演では、三次元バイオプリティングと細胞シートを適宜組み合わせることにより、全体的な立体臓器の創成効率を上げるとともに、細胞の鮮度の維持が期待されることなどについて解説する。

 テキストは一冊4,500 円で頒布、講演会終了後の交流会の参加費用は一人あたり3,000円。参加申込は事務局(E-mail: micro_mold@micro.ne.jp )まで。