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トライボコーティング技術研究会、平成30年度第4回研究会を開催

 トライボコーティング技術研究会は12月7日、東京都江東区の東京都立産業技術研究センター(都産技研)で、「平成30年度第4回研究会」を開催した。

 当日は、大森 整会長(理化学研究所)の開会挨拶に続いて以下のとおり講演がなされた。
開会挨拶を行う大森会長開会挨拶を行う大森会長

「都産技研の3Dものづくりにおける支援事業と技術開発」千葉浩行氏(都産技研)…都産技研では、樹脂粉末および金属粉末により積層造形が行える3Dプリンタを導入しており、今回の講演では主に金属3Dプリンタの基本工程や装置の概要などについて解説を行った。都産技研の試作支援事業では、ガス式コードレス床用溶接機の伝熱を速くするノズル形状の検証を行い、型レス試作によるコスト低減と開発期間の短縮を図った事例を報告。また、金属粉末材料17-4PHを用いて金属積層造形におけるレーザー条件による造形物への品質影響を検証した実験では、レーザー条件により内部欠陥を低減できることや、相対密度99%以上の造形物において内部欠陥量と局所ひずみの相関関係があることなどを示した。その上で、3Dプリンタによる金属造形品が実製品として適用可能な性能ポテンシャルをもつことが示唆された、と結言した。
講演を行う千葉氏講演を行う千葉氏

「ロボット産業活性化事業における技術開発・事業化支援について」益田俊樹氏(都産技研)…都産技研が実施しているロボット産業活性化事業の概要や技術シーズ、安全認証支援の概要などについて紹介。技術シーズでは、都産技研が開発したロボットの移動プラットフォーム「T型ロボットベース」や、マスコットキャラクターであるチリンを追従型ロボットとして人の後ろについて、追従しながら会話をしたり展示物等の解説を行うマスコット型案内ロボット、博物館や美術館などの施設内で目的地まで人を先導し案内する先導型案内ロボット「ピクシス」、頭部にタッチパネル機能を備えた液晶パネルを搭載し、顔の表情の表示や情報提供を行う自律移動案内ロボット「リブラ」を紹介。これらの技術背景をもとに行った公募型共同研究開発の具体的事例などについて解説を行った。
講演を行う益田氏講演を行う益田氏

 講演に続いて、東京ロボット産業支援プラザの見学会が行われ、都産技研の開発した先導案内ロボットのほか、ロボット開発を支援する3Dプリンティング技術や複合環境振動試験機、路面の摩擦係数や勾配を変えて試験できるテストコースなどが紹介された。
見学会のもよう見学会のもよう

 次回研究会は来年2月22日、埼玉県和光市の理化学研究所で開催される「理研シンポジウム:第21回トライボコーティングの現状と将来」として行われる予定。