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SEMICON Japan 2024

 

三菱マテリアル、アルミワイヤーハーネスのコネクター端子用防食めっき技術を開発

 三菱マテリアルは連結子会社である三菱伸銅と共同で、アルミワイヤーハーネスのコネクター端子用防食めっき技術を開発した。

 今回、両社の技術を応用することにより、銅合金端子の表面処理に広く用いられている錫めっきの中に、新たに亜鉛(Zn)を添加してガルバニック腐食の進行を大幅に抑制する防食めっき技術を開発した。従来技術と比べて自動車の軽量化や製造コストの面でも優位性が期待できるという。

 開発した防食めっき技術では、アルミに近い腐食電位を持つ亜鉛と、従来から銅合金端子の表面処理に用いられている錫(Sn)を積層し、錫めっき表面に亜鉛を拡散させためっき構成となっている。錫めっき表面の腐食電位をアルミのもつ電位に近接させ、銅合金端子とアルミ電線との間の腐食電位差を制御してガルバニック電流を長時間にわたって大幅に抑制できる。さらに、銅合金端子の防食めっきは従来から錫が主成分であることから、これまでの錫めっきと同等の電気的接続信頼性も確保している。また、各種銅合金に適用できる技術だという。


 近年、燃費向上によるCO2削減を目的として自動車の軽量化が強く求められ、その実現に向けて自動車のワイヤーハーネスのアルミニウム化が注目されている。アルミワイヤーハーネスは、銅合金製のコネクター端子とアルミ電線で構成されるが、その接続箇所にガルバニック腐食が発生して接続信頼性が低下するという問題点があった。銅合金端子とアルミ電線の間で発生する腐食の防止処理は、製造コストが大きくかさむとともに、銅合金端子の小型化の阻害要因にもなるため、ワイヤーハーネスのアルミ化を進める上での大きな課題となっていた。
アルミ電線と接続した防食めっきコネクター端子アルミ電線と接続した防食めっきコネクター端子