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DLC工業会、令和元年定時会員総会と功労賞授賞式を開催

 DLC工業会( http://dlck.org/ )は6月28日、東京都港区の航空会館で「令和元年定時会員総会」を開催した。当日は、中森秀樹会長(ナノテック 代表取締役社長)を議長に選出して議事が進行された。
議事を進行する中森会長議事を進行する中森会長

 議事においては平成30年度事業報告、決算報告が行われた後、令和元年度事業計画(案)、同予算(案)について審議、満場一致で可決された。事業計画では、同工業会とニューダイヤモンドフォーラムが経済産業省のDLC 国際標準化に関わる委託事業を受託し担当分野の業務を実施すること、講演会あるいはセミナー等を開催すること、新規会員獲得のための活動を行うこと、DLCおよび関連分野の情報収集を行うほか、会員交流の検討を行うことなどを確認した。

 また、当日の席上では昨年より新設された「DLC工業会功労賞」の授賞式が行われ、東京工業大学 教授 大竹尚登氏が受賞。DLCの基礎から応用に関する研究を第一人者として牽引したことや、DLCのISO規格化に対して中核研究者として貢献した功績が認められた。
DLC工業会功労賞を受賞した大竹氏(左)DLC工業会功労賞を受賞した大竹氏(左)

 総会後に行われた受賞記念講演では、「DLCの現在と未来」と題し大竹氏が登壇。DLCの現状の課題を①より低コストではく離に対する信頼性を向上すること、②高硬度などの機械的特性と離型性などの化学的特性を高い次元で併せ持つ膜を開発すること、③DLCの構造を明らかにすること、と解説。①におけるDLCの未来については、水素フリーDLCはAIP、FCVA、スパッタリングを基礎に、よりsp3化を行い高速化と厚膜化を可能にすることや、大気圧CVDの実現、液中での成膜、膜の設計などが重要になるとした。また②では、膜の設計の概念が今後より重要になること、DLCへの元素添加、切削工具や金型への利用拡大、生体医療系への応用、などを掲げた。③については電気的特性への応用の道を拓くためにも必須、とした。
講演のもよう講演のもよう

 同工業会の現時点での正会員は、ナノテック、リックス、アルテクス、トッケン、平和電機、ナノテックシュピンドラー、フロロコート、大塚電子、iQubiq、ウエキコーポレーション、レスカ、ウォルツの12社。特別会員は大竹尚登氏(東京工業大学)、大花継頼氏(産業技術総合研究所)、平栗健二氏(東京電機大学)、平田 敦氏(東京工業大学)の4名となっている。