長瀬産業( https://www.nagase.co.jp/ )と東北大学の寒川 誠二教授は、リソテックジャパン、SPPテクノロジーズとの共同研究により、世界初となる新技術・超微細加工ナノ構造による撥水性制御を開発し、長瀬産業による事業化の推進が決定した。
現在、一般的なコーティングによる撥水性の制御は、長期間の使用により撥水性を有する層が剥がれる等、耐久性の問題が課題とされていた。新技術では、独自技術であるバイオテンプレート技術と中性粒子ビーム加工技術を融合し、ガラス等の表面にナノピラー構造を作製することで、従来は困難であった材料の表面にナノオーダーの均一な加工を施すことが可能となった。このように、新技術はあらゆる材料の撥水性を自在に制御し、恒久的な撥水性を実現するという。
長瀬産業の独自技術により量産供給が可能である材料「フェリチン」の供給と、超微細加工ナノ構造による撥水性制御との組み合わせにより、あらゆる材料の撥水性を自在に制御することが可能になったという。これにより、従来のコーティング膜に比べて耐久性を有する恒久的撥水性が実現される。
この技術は、ガラス、シリコンを代表にあらゆる材料の表面濡れ性(固体表面に対する液体の付着しやすさ)を自在に制御することに成功した世界初の新技術で、自動車用センサーやスマートフォン等のカメラのレンズ部分、各種電子部品、工業用部品などの産業分野でも適用を見込まれている。特に、自動運転用や安全確保用のセンサー類の市場においては、2020年には2017年比で約1.9倍となる1.7兆円になると見込まれており市場の伸びが期待される。また、スマートフォンの出荷台数は2020年には2017年比で約1.1倍となる16億台になる見込みであり、これらの市場を主なターゲットとし事業化を推進していく。