フジサンケイ ビジネスアイは11月27日~29日、千葉市美浜区の幕張メッセで「第6回鉄道技術展」を開催した。世界が注目する鉄道インフラに関する専門展示会として国内の鉄道技術を紹介、またEUパビリオン、ドイツパビリオン、スイスパビリオンなど海外からも出展があり、国際色豊かなイベントとなった。同時開催の「第3回橋梁・トンネル技術展」と合わせて35136人が来場した。
表面改質関連では、HEF DURFERRIT JAPANとニッチューが出展した。
HEF DURFERRIT JAPANは、フランスの鉄道車両において多数採用されているブッシュ「PEL」シリーズを紹介。ブッシュの摺動面内のグリース分布をコントロールし、給脂インターバルの長期化を実現することで高速鉄道AGVなどに採用されている。こうした実績を背景に、日本でも鉄道分野でブッシュの採用を提案しており、地下鉄車両などで採用が始まっているという。また、ブッシュと合わせて、CLIN(Controlled Liquid Ionic Nitriding)技術を適用し欧州REACH規制に適合したクリーンな塩浴軟窒化処理「タフトライド処理®」を紹介。六価クロムめっき代替処理として提案を行った。
ニッチューは、鉄道車両の部品の汚れ落としや接着前の表面粗さ調整などで多数の採用実績がある各種ブラスト装置を提案。会場では、省スペースで設置可能な直圧式ブラスト装置「プチブラスト(PDタイプ)」を用いて黒皮のはく離のデモを行った。また、ショットブラスト加工の技術を応用して開発された増粘着剤噴射装置「セラジェット」も紹介。同装置は、鉄道車両の高速域での車輪の空転・滑走防止や非常ブレーキ距離の短縮などの特徴から500系・700系・N700系のぞみをはじめ、九州新幹線や台湾新幹線、JR在来線などの鉄道車両で数多く採用されている。