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SEMICON Japan 2024

 

東北大など、高耐久性DLCの設計指針を明示

 東北大学金属材料研究所 久保百司教授、王楊助教(現:東北大学大学院工学研究科)、東北大学大学院工学研究科 足立幸志教授、岩手大学 森 誠之教授、フランス・Ecole Centrale de LyonのJean Michel Martin教授らのグループは、東北大学金属材料研究所に2018年8月に導入されたスーパーコンピュータ「MASAMUNE-IMR」を活用し、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の摩耗を誘発する原因となるトライボエミッション現象のメカニズムを世界で初めて明らかにした。さらに、DLCの成分や周囲の環境を制御することで摩耗を減らすことが可能であることを示し、高耐久性DLCの設計指針を明らかにした。

 金属材料研究所で開発した大規模分子動力学シミュレータ「LASKYO」を活用し、DLCの摩耗現象をMASAMUNE-IMR上でシミュレーションした。その結果、以下のことが明らかとなった。

1.DLC同士を摩擦した時に、摩擦した表面からメタンやエタン、エチレンなどの様々な気体分子が蒸発するトライボエミッション現象が起こる。この現象は実験的にも確かめられた。

2.1のような気体分子の蒸発が、DLCの摩耗を誘発することを世界で初めて明らかにした。

3.DLCの成分や周囲の環境などを制御することで、「摩耗を減らす」ことが可能であることを示し、高耐久性DLCの設計指針を明らかにした。

 今後、さらにMASAMUNE-IMRを活用して、DLCへの異種元素の添加効果などを明らかにすることで、さらに耐久性の高いDLCの設計を実現し、高耐久性DLCの実用化につなげていく。

スーパーコンピュータ「MASAMUNE-IMR」
スーパーコンピュータ「MASAMUNE-IMR」